アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』(2期)全13話放送終了ということで,感想を記しておこうと思います。
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原作11巻に相当する12・13話のストーリーに関する感想は,11巻の感想として,あらためて別の記事に書きたいと思います。
今回はアニメ全体の感想を簡単にまとめます。
なお,ストーリーの核心には触れない程度にアニメのネタバレを含みます。また,原作11巻のネタバレはありません。
アニメでも,一色いろははあざとかった。
2期が始まると聞いて一番楽しみだったのが,一色いろは(CV.佐倉綾音)の活躍でした。
修学旅行編後は,いろはが物語の起点の役割を担っていたこともあり,(全体的にはカットされたシーンが多かったですが,)いろはの登場シーンのカット率は比較的低かったように思います。なんといっても,主人公の対人警戒スキルを無効化できる属性をもったヒロインですからね。おかげでたっぷり堪能できました。
映像がつくことによる新たな情報もありました。例えば,一色いろはのノルマこと「なんですか口説いてるんですか……ごめんなさい」のシーンとか。ほかにも,あざとい仕草が映像化されていて,なかなか見応えがありました。
期待に違わぬあざとさを見せつけてくれた一色いろは。やっぱり後輩キャラはよいものだという認識をあらたにしました。
そういえば,いろはちデート回はばっさりカットでしたけど,OVAになるんですよね?(迫真)
あるいは,彼(女)らは芸人集団なのかもしれない。
基本的に原作を端折るスタンスの中で,数少ない原作+αの描かれ方をしていた彼ら。
その筆頭はもちろん玉縄君。原作を読んだときもおもしろかったのですが,アニメ版はお腹が痛くなりました。ふてくされたからって,髪の毛ふーっはないよ。可愛すぎかっ!
しかも,八幡たちに対する苦手意識を植え付けられてしまう玉縄氏。あげくの果てに,いろはすに財布扱いされる玉縄氏。意識高い系(笑)が,可哀想な,もとい,可愛い生き物に見えてきました。
もちろん,折本さんも忘れてはいけません。
八幡の中学時代を知る人物として,キーパーソンの一人でもある彼女。しかし,制作陣からは雑な扱いを受ける。完全に芸人の役回りじゃないですか。
とにかく,玉縄x折本がタッグを組んだ予告の腹筋崩壊力はとてつもなかったです。
なんだか「海浜幕張高校」がお笑いグループのグループ名に見えてきた今日この頃。
しかし,その原作消化スピードには追いつけない。
修学旅行編を2話で終わらせたときには,生徒会選挙編とクリスマスイベント編を時間をかけてやるんだろうと思っていました(多くの人がそう思ったのでないでしょうか)。しかし,大方の予想に反して,生徒会選挙編も超スピードで走り抜ける。さらに,クリスマスイベント編にはある程度尺をさいたものの,まさかの新年・マラソン大会編に突入。そして,(一時的に原作を追い抜いて)バレンタイン編へ。1期にも負けず劣らないスピード感でした(ゆいはちデートの流し方には虚を突かれました。1期6話と対になるエピソードでもあっただけに意外でした)。
シーンをカットすること自体は構いません。
そもそも小説とアニメという表現手法の違いがあるのですから,それに合わせた再構成は,むしろ当然にすべきだと思います。アニメなら,音声付きのセリフ・曲・映像といった手法を利用できるわけですから,小説では文字で表現された情報を,アニメでは別のものにのせかえることはできると思いますし,そうであるなら,説明的なシーンをある程度省略することは構わないでしょう。
しかし,今回の省き方はいささか度を超えていたようにも思われます。
たしかに,原作を読んでいれば補完しながら見ることができるので,それほど気にならない,むしろ映像やセリフに新たな発見があったりして楽しんでみることができるわけです。
でも,それは,「原作を読んでいるから」であって,原作を読んでいない人には伝わらない。
ということは,アニメだけでは系が閉じないということになります。
「それでいいじゃないか」といってしまえばそれまでですが,私としては,せっかくアニメ化するんだから,それ自体完結したものにして欲しい,と願ってしまいます。
あえてあいまいな描写がなされているこの作品において,本編の完結前に,独自の解釈で物語を構成し直すというのが至難の業だということは分かります。でも,なんだか物足りない感じ。
ああ,すばらしき販促かな
そういうわけで,アニメだけでは消化不良に陥るわけです。つまり,原作未読の人は,原作に手を出したくなる。
これは,すばらしい販促効果ですね。原作のおもしろさは折り紙付きですから。
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おまけに,BD全巻に特典小説つき(どうやら内容は「別の可能性」みたいです。「まちがっていない」ラブコメかな?)。け,計算高い!
ごめんなさいすこし言いすぎましたアニメよかったです満足しましたでもやっぱりボイスドラマ化して欲しいですどうかよろしくお願いします
ここまで若干否定的な意見を書いてきましたが,振り返ってみれば,よいアニメだったと思います。
原作では十分描かれていない登場人物たちの仕草・表情を見ることができ新たな発見もありましたし(場合によっては,シーンの捉え方が大きく変わることも),BGMや曲がつくことで,また一層ストーリーに惹かれることになりました。
だから,アニメにはとても満足しています。
とくに主題歌はOP・EDともにとってもよかったです。もちろん13話のHello allone(由比ヶ浜結衣Ver.)も。
でも,この作品の魅力は,ボイスドラマ化してこそよく際立つと思います。以前の記事でも少し触れましたが,今回改めて早見さんや東山さんのセリフを聴いて,再確認しました。
ぜひ,本編完結のあかつきには,ボイスドラマ化を企画して欲しいです。
おわりに
2期もハイスピードで原作をアニメ化したので,気になるのは,残りの原作をどのようにアニメ化するか,です。
いまのところ,本命・劇場版,対抗・最終巻特典OVA,といったところでしょうか。たとえ12巻が上下二分冊だったとしてもテレビシリーズ1クール分は少し難しいように思いますし,それをやるつもりなら今回ここまで省略しなかったように思います。
いずれにしても,(ボイスドラマ化も含めて,)今後のメディアミックスにも期待です。
というわけで,以上,俺ガイル2期の感想でした。
11巻の感想も近いうちにあげるつもりです。テーマは「「俺ガイル」はキュビスムだった」を予定(予定してるだけ)。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)
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それでは!